長崎の代表的な名物、ちゃんぽんば作るけんね(てっとり早く作るならやさしいチャンポンをどうぞ。 動画も!)。
「ここがウマカ、あすこがオイシカよっ」と、良か店の話ば聞くけどさ、ホントにウマカ店は、 有名か店じゃなくて町の中華料理屋さんやったりするとやもんね。
オイはね、よその家に遊びに行ってから、そこの母ちゃんが作ってくれる自家製ちゃんぽんが好きさね。 味噌汁と同じごと、各家庭にちゃんぽん味のあるとばい。
でもさ、 お店でも家庭でも、なかなか「真のスープ」ば使うことはせずに、化学調味料主体で味ば整えよるごたるもんね。 だけんここはいっちょう、スープから真剣に作ってみるばい。
今回は鶏、豚、鰹節の、 三種混合スープで作るけんね。
まずは鶏ガラスープさね。 ガラば一羽分買うてきて、大きか時はブッ叩かんね。
詳しくは鶏がらスープのとり方ば見てくれんねね。
良かダシのとれるごと、包丁で細かく叩こうで。
鶏がらば煮る時はさ、家にある野菜の切れ端もいっしょに放りこんで、 その旨味ば追加したほうが良かとばい。
無ければ無かでよかとばってん、あったほうがステキさね。
長ネギとかタマネギ、 ニンニクにショウガやリンゴとか・・・もう好いたごとせんね!
※トリガラは安かけん、いっぱい使うたほうがよかばい!
ちゃんぽんば作る前日にはね、是非ともチャーシューか、 豚足ば作ってもらいたかとさね。
何でかって?
茹で汁ば、ちゃんぽんに活用したかとたい!
チャーシューとか豚足の茹で汁は取っとって、次ん日に、そればトリガラスープと合せてちゃんぽんスープにするとやもん。
チャーシューと豚足の煮込み汁は、煮詰めればこがん感じに乳白色になるとよ。 もっとこだわるならさ、ラーメンば作るときのごと、 ゲンコツば煮出せばよかとさ。
何ちゅうたっちゃ、真の味は骨に染みこんどるもんばい。
「出し汁ばとる」にあるごと、鰹節、 もしくは煮干でダシばとってくれんね。
もしあれば、干ししいたけの戻し汁ば入れればさ、味に深みのでるとさね。 できれば前日から水に浸しておきたいところばい。
もういっちょ、とにかくオススメするとがさ、スープに何かしら貝類ば使うことさね。
とにかく一押しはアゲマキばってんが、べつにアサリでもシジミでも、 ハマグリでも牡蠣でも良かとばい。
とにかく、貝ばしばらく煮てから、スープば抽出しておくとさ。 もちろん貝本体は、ダシガラばってん具として活用すればよかけんね。
スープの調合
以上のダシば全部合わせて火にかけて、ちょっと煮込んでなじませるばい。
各スープの割合で味のけっこう変わってくるとけどさ、オイは鶏スープ多めで作るばい。 あっさり風味が好きならばカツオダシ多めが良かやろうし、絶対はずせんとが、とにかく貝のスープさね。 こいでパンチのあるスープになるけんね、何ちゅうたっちゃ、貝ば入れてくれんね。
※各スープば全部用意できんでも、せめて2種類ば合せれば旨かスープのとれるけん、 ためしに作ってみらんね。 このスープばとる作業のメンドクサか場合はさ、 鶏がらスープの素ば使って作らんね。 自分で作る、ちゅう事にこそ、意義のあるとやけんね。
スープの仕上げ
調合したスープに薄口醤油と塩で味ばつけるばい。 味見ばしながらチョットずつ入れてみてくれんね、絶対旨かスープになるけん保証するばい。
ちなみにここで、完璧な味ば出さんでも、後で炒めた具材とのハーモニーで旨くなっけん安心せんね。
隠し味として牛乳ばオチョコ一杯入れたらね、 スープの白濁してちゃんぽんスープらしくなるばい、コクも出るし。
長崎で「ちゃんぽん」って言えばさ、料理のちゃんぽんの他にも「なんでもごちゃまぜにする」っていう意味のあるとさ。
だけんが野菜は基本のキャベツさえ入れておけば、あとは何ば入れてもよかたいね。 家にある野菜ば入れればよかとよ。 食べやすかごと切ればよかですけんね。
彩りとしてニンジンは是非入れたかね。 よー緑とかベニ色の鮮やかなハンペンば入れたりもするとけどさ、 これは好みやもんね。
あとはもやし、長ネギ、エノキとかばよー使われるね。
豚肉ば食べやすかごと切ろうで。 バラでもカタでも何でも良かばい。
あとイカのあればよかね(イカの下ろし方→)。 海鮮はその他エビとか入れても美味しかばい。
炒めるには中華鍋が大きかし、使いよかばい。
まずさ、ごま油ば引いて、肉とイカから炒めるとさ。 ある程度炒めたら日本酒ばブッかけて、 ニンジンば入れるとさ。
あとは随時煮えにっか野菜から投入して炒めればよかばい。 次はいよいよスープの出番ね。
さ、もう一息ばい。 右図はね、作業効率ば考えたちゃんぽん製作フォーメーション(右利き用)さ。
一番奥の中華鍋が炒めた具材、手前左がスープ、右が調合用の鍋ばい。 一番左に見切れとるとがちゃんぽん玉で右に見切れとるとが蓋ね。
3つの鍋全てに火ば入れとって、手前右の調合用の鍋だけ強火ね。 後は弱火。
オイはね、どがん面倒くさかっても一人前ずつ作りたかとさ。 何人前もいっぺんに作ればね、家庭用の鍋の大きさ、そして火力から考えたらさ、ノビノビのちゃんぽんになってしまうとさ。 だけん一人前ずつ作ろうで。
【イ】 まず調合用の鍋にスープば一人前入れるとさ。 盛りつける丼にスープば注いで、そいば調合用の鍋に移せば分量の目安になるばい。
【ロ】 次に具材ば好きな量スープに入れて、蓋ばしてひと煮たちさせるとさ。 ここで味見しようで!
具とスープの合わさったら味のグンて良くなるけんね。 そいでも物足りんやったら、バターば少し入れてみたら良かばい。 カロリーば気にしちゃ美味しかモンは食えんけんね。 そいでもなんか物足りんやったら砂糖、塩ばごく微量入れてみらんね、美味しゅーなったやろ!
【ハ】 最後に麺ば入れる。 もたもたしとったら伸びてしまうけん、手早くかき混ぜんばばい。 もうほんのチョット麺の温まるぐらいの感じで手早くか混きまぜたらよかけん。
※ちゃんぽん麺とは、小麦粉を唐灰汁(とうあく)でこねたものです。 長崎県内のみでしか製造できないという話もあるそうです。
熱々ば丼に移せば長崎ちゃんぽん完成たい!
あーバリおいしか! 黒胡椒ば振るともオススメね。
ちゃんぽんは皿うどん共に、中華料理が源流です。 創作したのは四海楼の創業者で1899年のことです。 語源は吃飯(シャンパオ=食事)という説もありますが、詳しくは不明です。 麺に唐灰汁を入れるのは、コシが出て腐りにくくなるからばい。
05/07/19