京都はもう、完全に観光客が戻ったそうですね。
私はこの感染症問題が起きてから、頃合いを見ては京都に通っていました。
いつもは人でごった返している所がひっそりしていてまさにこれぞ観光だ、と言わんばかりにじっくりゆったり、街並みを楽しんだものでした。
目当てにしていた飲食店へは思うように向かえない状況ではあったものの、だからこそたっぷり散策をしては話題にのぼらぬ、でも堅実な商いをしているお店を探し出す事に心血を注ぐ事ができました。
これは京都に限った事ではありませんが、いっぱいあるんです良い店って。
「うちにはおばんざいしかありませんけど大丈夫ですか?」
暖簾をくぐるなり、よく日焼けした顔をこちらに向け店主は言いました。
むしろそちら系の料理を食べたい気分だったので喜んでカウンターに着き、万年筆書きのメニューを眺めては気になる料理をいくつも注文しました。
九条ネギと揚げを炊いたもの。 自家製のちりめん山椒。 そして今回の酢ずいき。
どれも胃に沁み入る美味しさがありました。
こちらもオススメ:里芋の含め煮
里芋の皮を厚めにむいたら、それを細長くなるよう切り分けます。
鍋にお湯を沸かしたら、酢をツラーッとたらして里芋を入れ、およそ15分にわたり茹でてまいります。
その間じっくり低温でゴマを炒り「パチン」と聞こえたら鉢へ移して丹念にあたります。
そこへ気持ち多めの砂糖、そしてここでもお酢、そして醤油(薄口)をたらして混ぜ合わせ、
茹で上がった里芋を入れたら優しくあえるだけなのです。
とろける口当たりにかすかな酸味が効いています。
作り立てはもちろんながら、冷めてもしっかり美味しいです。
次、京都を散策するのは一体いつの事になるのかは不明ですが、こうして出会った各々の料理が、我が人生の大切な宝となっています。
公開日:23/06/28